準新作映画評 1 ロストバケーション

記念すべき第1回目の作品はこれ。

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点数は20点中11点!

サメ映画であるからにはジョーズにオマージュを捧げるのは当然として、同じスピルバーグ監督のデビュー作『激突』を思わせるラストの展開には笑ってしまった。

音とカメラワークがなかなか良くて、全然大した話ではない話を、最後まで飽きずに観させる技量は大したものである。

サーフィンのシーンが非常に気持ちよく、やったことがない人でもその気にさせる。カメラの小型化、防水化により、丘から撮るしかなかった時代より臨場感が格段に増していて、水中カメラの躍動感のある映像が、そのままサメのシャープな動きをイメージさせて巧みに恐怖をあおっている。

強引な設定や展開はこの際ご愛嬌で、この手の作品は、あーだこーだとツッコミを入れながら観るのが正解である。

1番のツッコミどころはブイとクジラ。「なんでそこにブイ?」「いやいやクジラ食えよ」きっとほとんどの人がそうツッコミたくなるだろう。

この監督のデビュー作は『蝋人形の館』という低予算のホラーで、当時観た時、なかなか将来性のありそうな監督だな〜と思った記憶があるが、あれから10年経っていることを考えると、そろそろもうちょっと骨のある作品に正面から向き合っても良いんじゃないの?と隣で酒を飲んでいたらつい言ってしまうだろうと思う。