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そろそろ悟れそうな気がする

そろそろです。お見逃しなく。

RadioHeadレディオヘッド アルバム考その5 アムニージアックAmnesiac

買って2〜3回聴いて、その後長くお蔵入りになっていたアルバムである。

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今回蔵から出してきて聴いているが、なかなかどうして悪くない。

前作キッドAから8ヶ月後のリリース。「もうかい?」と当時も驚いた記憶がある。

「2作続けてすごいの作っちゃったな〜」という手ごたえは、当然メンバーにもあったはずで、放熱と言うか、張り詰めたものを解放するのに、また、周囲からの期待を一度かわしておくためにも、これを早めに出しておく必要があったのかもしれない。

レディオヘッドのテンションに慣れた人はきっと拍子抜けする。リラックスしていて、これまでのように作り込んでもいない。それだけに気楽に聴けるし、流して聴く分には、彼らの作品中でも随一かもしれない。

当然、世間の評価は高くない。悪く言えば核がなく、まとまりに欠ける。より実験的で、かなり遊んじゃってる。

それにしても、こういう力の抜き方というのは、さすがイギリス人というか、世界屈指のアーティストになっても、全然気負いがない。

これがアメリカだと、商業ベースの音楽はとことん商業ベースだし、売れる為なら何でもやるという連中がうようよいる一方で、そうした世界に頑として背を向けて、マイナーレーベルと契約し、全米各地の小ホールを転々としながらライブ活動を続け、かっこいいがしんどそうな道を選ぶ連中も沢山いる。

両者は水と油で、アンダーグラウンドの(メジャーではないが質の高い)音楽シーンを愛する耳の肥えたファンは、商業ベースのアーティストを小ばかにしているし、金やら名声やら、その他の欲望も込みで音楽をやっている連中は、小汚いクラブやライブハウスに集う人間を歯牙にもかけない。

それも、アメリカという巨大な音楽シーンがあればこそ成立することで、メジャーがすべてダサいわけではないし、マイナーだから食えないということも全然ない。

レディオヘッドはイギリスと言うか、オックスフォードのバンドである。EMI傘下のメジャーレーベルと契約し、全世界で作品を売り、ワールドツアーを敢行するが、良い意味で垢抜けないところもある。OKコンピュータの次にキッドAを出して、「商業的自殺」とまで批評され、事実売上げは半減したが(それでも400万枚)、アーティストとしてはさらに飛躍した 。

売上げが減ることなどお構い無しで、さらに売れなさそうなこのアムニージアック( 健忘症という意味らしい)なるアルバムを出したりする。

メジャーなのに求道的、そうした身の振り方も、幅広い層の音楽ファンから愛される理由の1つだろう。

 まったく気負わず、肩の力を抜き、実験しながら遊んでいるのに、曲のクオリティは相変わらず高く、レディオヘッドらしい着想のきらめきが随所に散りばめられている。

また蔵に戻すことになるかもしれないが、何かの拍子にまた引っ張り出して聴くかもしれない。私にとってはそういう作品である。


Life In A Glasshouse - Live on Jools - 2001 (Radiohead - Amnesiac)