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そろそろ悟れそうな気がする

そろそろです。お見逃しなく。

RadioHeadレディオヘッド アルバム考 その2 ザ・ベンズThe Bends

レディオヘッドの2作目『The Bends』

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タイトルは“減圧症”を意味する。水中を急浮上した時などにダイバーがかかる病気である。

私が住む日南市で知らない人はいない山見小児科。そこの副院長である山見信夫先生が、この減圧症治療の第一人者である。

もうすぐ2歳になるうちの息子が、ダイバーではなくただの風邪っぴきだが、いつも大変お世話になってますm(_ _)m

 ジャケットは救命訓練に使う人形。その恍惚とした表情を気に入ったトムヨークが、どこかから借りてきて撮影に及んだという。

リリースは95年。

前作からわずか2年でこれほど進化するのかと驚きを禁じ得ない。

前作のグランジ色も残しつつ(すでにこれも自分たちのものにした感があるが)、それでは飽き足らず、早くもレディオヘッドの世界観というか、鬱屈した感情を簡単に吐き出すのではなく、さらに深く執拗に掘り下げるスタイルを確立している 。

これには今作の途中からプロデューサーについたジョン・レッキーの影響が少なくないのではと想像する。あまたのイギリスのバンド、特にストーンローゼズの傑作『The StoneRoses』を世に送り出したことで知られる名プロデューサーである。

前作発表後のプロモーションにワールドツアー、多忙を極めるスケジュールに疲弊し、メンバー同士の関係もギクシャクしたというが、空中分解を回避するためには、さらに強い結束と、目的地を共有する必要があったはずだ。前作の出来や評価に不満もあったろう。借り物ではないオリジナルのサウンドを生み出すしか道がない正念場に追い込まれたことで、かえってバンドの能力が爆発的に開花したということなのだろう。

世界観をさらに高度に表現するため、サンプリングやエレクトロニックサウンドを導入し、単純な足し算引き算のロックから脱している。一枚のアルバムの中でバンドの劇的な変化や成長を感じ取れる、そういう意味でも貴重な作品で、ビートルズの『リボルバー』に比されるのもうなずけるのである。

その後も彼らは、ロケットのように噴射とデタッチを繰り返し、身軽になりながら、孤高の世界を旅して行くことになる。

97年発表のOKコンピュータ……、いや、それはまた次回ということで。

 


Radiohead Fake Plastic Trees Live @ Glastonbury 2003